旗本や諸藩の江戸屋敷、蔵宿から鮮やかに大金を奪い、その金の一部を暮らしに窮する下々の家に投げ入れる盗賊〝銀狼〟。義賊と噂の盗賊一味の捕縛を命じられた北町奉行所吟味方与力の鼓晋作は、押し込み先では誰も傷つけず、手妻のように犯行を繰り返す賊の手掛かりを求め、過去の似た手口や襲われた武家の共通点を洗い出してゆく。そして、十年前に南北両奉行所を翻弄し、忽然と姿を消した一味にたどりついた。そんな地道な探索の最中、一人の座頭が殺され、その男に借金していた小普請組の御家人一家が離散していたことが判明する。悲運に見舞われ、残された姉弟三人と盗賊の間に隠された因縁とは!?
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